先日ニュースを見ていたら、保育士不足に悩むある自治体が合同で「保育士就職フェア」を開催したと報道していた。これは、広めのフロアに色々な保育園がブースを設営し、保育士資格を持った人が場所を訪れて説明を聞き、気に入った保育園に就職するというものである。(実は幼稚園でも同じようなことをしており、さいたま市ではさいたま市私立幼稚園協会の主催で毎年夏にロイヤルパインズホテルで行われている)
色々な保育園が、一人でも多くの保育士を獲得すべく各園の特色を大きく書いたディスプレイを出し、来場者にアピールしていたのだがその一つに「行事少なめ」というのがあった。
 これをひらたく言えば「心理的にも体力的にも負担の大きい行事は少なめで仕事が楽ちんだから勤めてね」ということである。

 ああ、とうとうこういうことをアピールして保育者を集める時代になってしまったのかと思った。

 当園ではどうかと言えば「行事は大変。良ければ勤めて」である。

行事はただのお楽しみイベントではない。当園の年間三大行事と言えば、運動会・発表会・作品展示会であるが、それぞれを経験することにより子どもは心身共に大きく成長する。そして、それに打ち込むことにより何より保育者も大幅に成長するのである。
 実は人間にとって本当に面白いことは、何かに真剣に打ち込み、それが開花した時である。お手軽で楽ちんな中に、真の「楽しさ」は無い。「行事」を「イベント」として適当に形だけやる。そのような所は、子どもの成長・将来について真剣に考えているとは言いにくいだろう。そしてそれが「楽だから」という理由で勤務者を誘う文言になる……。益々この国の未来は暗くなってきているのではないだろうか。

1.山麓のキャンプ場でバーベキューをしたこと。
2.険しい山道を力を尽くして登り、やがて山頂に達した瞬間。

人生の終わりに、どちらのことを明確に覚えているのだろうか。

 ありがたいことに我が園の教諭達は、後者に近いことを行っていると思う。そしてそれが何より子どもの未来のためになっていると思うのである。

 「国家の問題というのは、実は乳幼児期の子育ての問題なのである。」 A.S ニイル。