ねんねんころり 子守歌
やさしく かあさん うたいます
記憶の底に うた とどき
大人の その子も 支えます

 もう3月。今年度もあと一月となりました。光陰矢の如しと申しますが、月日の経つのは、本当に早いものです。
 皆様ご存知のよう、しらさぎ幼稚園はその殆どが絵本で出来ていると言って良い程、絵本と関係の深い園でございますが、日本の絵本・児童書の発展に計り知れない功績・実績をお持ちの松居 直(まつい ただし)さんの記事が先日2/18付、朝日新聞朝刊に載っておりましたので、その紹介を兼ねつつ、この文を記させていただきます。
「絵本は子どもに読ませる本ではなく、大人が子どもに読んであげる本」。そして絵本の最も大切な役割は「共に居ること」。
「作者の名前は覚えていなくても、誰に読んでもらったかは覚えている。読んだときの喜びや楽しみが大きいほど、子どものなかに生涯残り続ける」ただ、現代は「人間の口から出る声をじかに聞く体験が、どんどん貧しくなっている」。
「気持ちを込めて語られた言葉は、人間のものすごく深いところに伝わり、残り、ときを経て出てくる」
我々、子ども・子どもの本に係わる人間には、身に染みる言葉ばかりです。
赤ちゃん・乳児でさえ、「口でお乳を飲むように、耳に入ってくる言葉を食べ、気持ちも一緒に感じ取る」一度も教えてもらっていない子守歌を歌えるのも、耳から言葉が入ってくるのと同時に、言葉の意味ではなくて、気持ちが通じるからである。
そういえば、最近あまり子守歌を歌っている親御さんを見かけません。松居直さんのご子息で、前埼玉県教育委員の松居和さんは、子守歌が日常的に歌われる社会は、親子共に幸せであり、発展途上国ではまだ見られるが、先進国では失われつつあると著書に記していました。これは社会全体の「優しさ」の指標なのかもしれません。
「子どもが本を好きになるかどうかは、本からどれだけの量の楽しみをもらったかによる」
別な著作で、松居直さんはこう述べています。私たち教職員は、この1年でどの位この「楽しみ」をお子さんにあげられたでしょうか。毎年この時期に振り返りたくなることです。そして卒園される皆さんは、もう残りが少なくなりました。今後はご家庭の皆さんにお願いするしかありません。「本を生涯の友とする」人が一人でも多くなりますよう……。 (園だより 2019.3月号より)