10月。この一年も3/4を過ぎ、あと3カ月となりました。月日の経つのは本当に早いものです。
4月。桜が咲く頃に入園した子ども達も、約半年の園生活・そして日々読んでもらってきた「絵本の中での想像体験」を経験し、それぞれが大きく成長して参りました。
「絵本の中での想像体験」と記すと、何だかとても大袈裟な気がしますが、全くそうではありません。何度も当園に講演に来てくれた児童文学者の齊藤淳夫さんは、「子どもは読んでもらっている絵本の世界の中に入り込み、時には主人公に成り代わって絵本の中を旅します。例えばピーターラビットの絵本なら、自分がピーターになってしまうのです。」と述べられています。
「経験に勝る教師なし」とは古くからよく言われている言葉です。確かに何につけても実体験に勝るものはありませんが、絵本・また本による想像の中での体験にも人間を大きく成長させる力があるのではないかと思います。
作家の井上ひさしさんは、「昨今の若者は生きる力が低下しているとよく言われていて、短絡的に自らの命を絶ったり、いわゆるキレてしまったりしているようだが、
それは読書量の低下に比例しているのではないかと思う。様々な主人公に成り代わって色々な挫折、苦労、また楽しさを想像の中で経験していれば、そんなことにはならないのではないか」ということを書かれていましたが、これもその通りかと思います。  皆さんや、担任達が日々読み聞かせてきた様々な絵本。楽しいものや怖いものなど、
それこそ色々なものがあったことでしょう。その中を子ども達は一人一人がそれぞれの旅をしてきました。その経験から、年長児ともなれば「友達と協力して一つのことをやりとげる。頑張るということはとても楽しい」ということが想像できる力を付けて来ています。  まもなく運動会。運動会はその力を発揮する絶好の機会です。「絵本」・「運動会」 全然関係無いようなものが、実は深く繋がっているということを、どうぞ当日、皆さんの目でお確かめください。

(園だよりH27.10月号より)