この園では、冬休み明けにカルタ大会を行っている。
使用するのは「ぐりとぐら」のカルタ。

年末に年中児に必ずあげることにして、もう何年も経つ。

このカルタ。勿論作者は中川 李枝子。スタジオジブリの宮崎駿監督が、
著書の中で「この人には歯が立たない」と認めている児童文学者であり、
日本語の達人である。トトロの「さんぽ」の作詞もしている。

児童文学界の巨人、故 瀬田貞二の起草する文は、瀬田節と呼ばれる七五調であった。
日本語のリズムとしての定番であり、しっくりとくるものである。

このカルタは、基本的にこれで作られている。また、韻を踏んでいるものも多い。

あおいぼうし あかいぼうし ぐりとぐら

きつねくん きっぷをもって きしゃにのる

からすの かいもの からかさ いっぽん

ほしがほしいとほえるいぬ

ゆきのひ ゆかいな ゆきだるま

とてもリズミカルで親しみやすく、読んでいる大人でも覚えてしまう。

年長児ともなると、冬休みに沢山これで遊んでもらった子は、ほぼ全部の読み札を覚えてしまい、先頭の一字を読むだけでとってしまう子もいるそうだ。

何と幸せなことか。

日本語の達人が作った言葉は、その子の「日本語」の基礎として体の底にしっかりと宿り、生涯文章を味わったり、また記したりする時、その子を助けるだろう。


外国語を学ぶためには、まず母国語のアイデンティティが確立されることが肝要だ。また、全ての学習の基礎は読解力であり、母国語に親しみ、運用ができてこそ、その力がついてくる。

「ぐりとぐらのカルタ」はそんな思いを込めて、前園長の時からプレゼントしているのである。